更新日:2021年2月5日
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11月16日(土曜日)に、ららぽーと豊洲で農業遺産展が開催され、世界農業遺産、日本農業遺産に認定されている国内全23地域が出展し、各地域が農業システムの特徴や農産物のPRを行いました。
当地域では、染色用の紅餅、紅花染めのストールやネクタイなどを展示するとともに、最上川流域で450年前から行われる伝統的な生産・染色用加工システムについて、リーフレット等を用いて紹介しました。ブースには家族連れなどを中心に多くの方がお立ち寄りくださり、初めて見る紅餅を興味深そうに触ったり、紅花染めの美しい色に感動した様子でした。
当地域のブース
来場者への紹介
10月10日(木曜日)に「山形県紅花振興シンポジウム」を開催しました。世界農業遺産等専門家会議委員長の武内和彦氏から「農業遺産の意義と持続可能な農村の創生」の演題で基調講演いただき、農業遺産のねらい、世界中の認定地域の認定後の取組みについて示唆に富んだお話しがありました。また、事例紹介では、生産について白鷹町の今野正明氏、研究について山形大学の笹沼恒男氏、実需について株式会社新田の新田克比古氏の3名より、紅花に関する取組みについてそれぞれの立場から紹介いただきました。また、会場では、構成8市町が紅花に関する取組みを展示紹介するサイドイベントが行われ、多くの来場者に紅花についての理解を深めていただきました。
会場全景
サイドイベントの様子
8日7日(水曜日)に農林水産省でこども霞が関見学デーが開催され、山形県紅花振興協議会では小学生向けの紅花染め体験を開催しました。
当日は小学生40名が、保護者の見守る中、紅餅から作った染色液でハンカチを染めました。また、染色の待ち時間を利用して、紅花の歴史や当地域の特徴について学びました。鮮やかなピンク色に染めあがったハンカチを手にした子供たちは、紅花をより身近に感じていた様子でした。
準備の状況
リーフレットを使った学習
令和元年7月19日に韓国における紅花の利用状況について調査を行いました。韓国国立民俗博物館では、紅花染めや薬としての紅花の利用についての展示を視察し、北村伝統工芸村では、紅染匠からお話を伺いました。
今回の調査により、日本と韓国ともに高貴な衣装に紅花染めが用いられるという共通点を確認しました。一方、現在の韓国では、農業としての紅花栽培は途絶えてしまい、遺物の復元染色作業など、文化事業の目的でのみ紅花が栽培されている状況でした。このことから、染色用だけでなく、切り花など幅広い用途で活用されている本県とは大きく異なることが明らかとなりました。この他にも、栽培している紅花の品種や色素抽出のための加工法などにも相違点があることが分かりました。
韓国国立民族博物館における紅花染めの展示
北村伝統工芸村での紅花染め装束の展示
山形県最上川流域を構成する8市町すべてにおいて、紅花畑の生物多様性調査を行っています。
この調査では、黄色の粘着版やプラスチックコップを埋めた落とし穴で昆虫を捕獲します。捕えた昆虫から、テントウムシなどの益虫や生物相の多様さを示すゴミムシ、シデムシ等の昆虫の数を把握し、持続可能な紅花農業を継続するための情報として活用します。
農業者と協議会が連携した生物多様性調査
令和元年5月19日~22日に韓国ハドン郡で東アジア農業遺産学会が開催され、山形県紅花振興協議会から2名が出席しました。
日本、韓国、中国の世界農業遺産の取組内容等についてのセッション発表、当協議会を含む各国の参加団体によるパネル・パンフレット展示や、試食・試飲が行われました。現地視察では、世界農業遺産に認定された茶栽培および韓国国内漁業遺産のシジミ漁について学びました。
世界農業遺産に認定されたハドン郡の茶畑
参加団体による展示
農林水産省講堂で日本農業遺産認定証授与式が開催され、山形県最上川流域(「歴史と伝統がつなぐ山形の最上紅花」)を含む全国7地域が参加しました。構成する県内8市町及び生産団体が見守る中、協議会会長の吉村知事に対し、吉川貴盛農林水産大臣(吉の士は正式には『土』)から認定証が授与されました。
認定地域プレゼンテーションでは、吉村知事が、山形県内に息づく行事やお祭りと最上紅花の関係、最上紅花が日本の伝統文化の成立に貢献してきたこと、日本農業遺産への認定を地域経済の活性化につなげていくことなどを発表しました。
授与式に合わせて、世界農業遺産用専門家会議の武内和彦委員長の基調講演のほか、7地域の農業システム紹介のパネル展示や、特産品の試食などが行われました。
吉村協議会会長(県知事)によるプレゼンテーション
紅花の展示ブースで吉川農林水産大臣(左)に紅花加工品を説明する吉村会長(県知事)(右)
協議会を構成する8市町、生産団体、関係団体の参加のもと、山形県紅花振興協議会の総会を開催しました。日本農業遺産の認定を受け、平成31年度の事業として、認定を受けた農業システムを次世代に継承していくため、新規生産者への技術指導や地域における紅花文化の伝承等の支援を強化すること、国内外に積極的に情報発信して認知度を高め、観光業や食品製造業と連携して、地域の活性化につなげることを確認しました。
山形県紅花振興協議会の様子
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