更新日:2021年12月3日

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作文 中学生部門 優秀賞(2)

理解り合う
遊佐町立遊佐中学校 3年 
畠中 理紗子
 

 みなさんは、障がいのある人についてどう思いますか。どう思うかは個人の自由ですし、私自身も「かわいそうだなあ」と思ったことがありました。しかしある時、そんな思いを崩されるできごとに出会いました。
 私の親戚には、障がいのある人がいます。病気によって半身不ずいになったので車いすに乗っており、言葉も話せません。病気になったのは私が生まれるより前なので、詳しいことは知りません。また、私が言ったことはその人に伝わっているのですが、その人が言いたいことは私にはわかりません。それが少し嫌で、なるべく会わないようにしていたこともありました。「周りの人はみんなどうやってコミュニケーションを取っているのだろう」と、ずっと疑問に思っていました。
 だから、地域のお祭りでその人に会った時、とても驚きました。地域の人が、その人の車いすを押してくれていたのです。地域の人は、時々その親戚に話しかけたりしながら、ゆっくり歩いていました。どこに行くのだろうと思って見ていると、地域のおじさんたちが集まっているところに行き、みんなで乾杯をしていました。親戚の人は、もちろん喋ってはいなかったですが、とても楽しそうでした。後日、父に聞いてみたら、「地域の人たちはよく押してくれているよ。」ということを教えてくれました。
 どうやってコミュニケーションをとっているのだろう、再び考えてみました。父曰く、車いすを押してくれる地域の人たちはみんなずいぶん昔からの知り合いらしいので、「慣れ」で言いたいことがわかるのかなと、その時は思いました。
 その後、みんなで吞んでいるところに出くわすことが何度かあり、見ているうちに気がつきました。慣れももちろんあるでしょうが、それ以上に、お互いが「伝えたい」「わかりたい」と思っていることが一番の理由ではないかということに。そして、伝わらなくても、わかれなくても、「なんでわかってくれないんだ。」「なんでもっとわかってあげられないのだろう。」と思わずに、「伝わらなくても、わからなくても、大丈夫。何とかなるだろう。」という考えが大事なのかなと思いました。
 私はこの体験を通して、言葉がなくても、お互いの気持ちをわかり合おうとすれば、コミュニケーションがとれることを知りました。これから、その親戚と会うことがあったら、積極的に話をしたいです。また、普段の生活の中でも、「相手のことがわからないから関わらない」ではなく、「わかりたいからもっと関わっていこう」という風に考えたり、行動したりしていきたいと思います。

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