更新日:2021年12月3日

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作文 中学生部門 最優秀賞

小さな心づかいは大きな花に
白鷹町立白鷹中学校 1年 
紺野 友愛

 小学校の頃、特別支援学級があり、障がいを持った2年生と同じそうじの班になった。その時、私はしてはいけない事をしてしまった。それは、無理やり思い通りにさせてしまったことだ。自分が見本を示し、「こうすれば良いんだよ。」と教えることが出来るのに、怒ったり、その子の分をやってしまったり。その時は気づく事が出来ず、終わってしまった。しかし、その後再び同じ班になった。
 新しい班になってからは、その子に何の担当をしたいか毎日聞き、あきてしまい、そうじ用具を置いてしまった時には、
「よーし、私とバトンタッチしようか!」
と声をかけ、そうじをすることが出来た。この子に教えてもらった事は二つある。
 1つ目は、自分がされて嫌な事はしないという事だ。すごく当たり前の事だけど、実際にやってみるととても難しい。怒ってしまったら誰でも嫌な気持ちになるし、やる気を無くしてしまう。怒る側にもメリットは何一つ無い。ちょっとムカムカしてしまう時には、一度深呼吸をし気持ちを切り替え、落ち着いて話をしていこうと思う。
 2つ目は、その子にあったやり方で対応するという事だ。私もすごくあき性で勉強も授業の五十分が限界。それ以降は休憩を入れてやらないと全然頭に入ってこない。それと同じで、何かに興味を持った時、
「えー!何これ!すごい不思議だね!んじゃ、少し休憩しようかー!」
という風に提案をしてみたり、
「すごいね!これ題名何て言うんだっけ?」と問いかけると、コミュニケーションを取るきっかけにもなると思う。何事
 も全て完璧にこなすのは難しい。終わらなかった分はまた次の日やれば大丈夫と柔軟に考える事が、あの時の私に必要
 だったのかも知れない。
 中学校に入り、3ヶ月経った頃、
「あのさ、小学校の時に耳が聞こえない子転校してきたじゃん?あの子はまだマシだけど、〇〇とか△△とかいたじゃ 
 ん。俺ああいう障がい児、マジ無理だわ~。」
と笑いながら先輩方が話していた。そうじの班で同じだった子の名前も呼ばれ嫌だった。皆同じ人間で、皆違って皆良いのに。どうしてそんな風に言われなくてはならないのか。今先輩が言ったその子達、皆すごく良い子達なんです。結局、その場で言う事は出来ず、もどかしさと悔しさだけが残っている。
 障がいをもった人が生きやすい社会にする為に、誰でもできる事がある。それは、障がいの事について私達が学び、理解する事だ。限られた人が障がいについて説明するのは、すごく大変な事だけど、自分で調べ、自分なりの答えを出し、「こういう人もいるのか。」と知ってもらいたい。また、「皆同じ人間。皆違って皆良い。」という事を再確認してもらいたい。一人一人がほんの少しの心づかいをするだけで、大きな心の花になると思う。
 小学校2年生の頃、担任の先生に、
「皆さん、障害者の『害』の漢字、平仮名になったの知ってますか?障がい者だからといって誰かに害を加える訳ではな 
 いと、最近見直されたそうです。」
と教えてもらい、タクシー・病院・町の壁を見ると、ほとんどが平仮名でびっくりした。今の話のように「細かな変化に気付き、伝えられる人」、そんな人に私はなっていきたい。
 現在通っている学校にも特別支援学級がある為、その子達とたくさん関わり、コミュニケーションをとって様々な事を学習したい。「障がい=その子の個性」という風に私は考える。「障がいのある人は普通の人と馴染めない」のではなく、「障がいのある人もない人も馴染める環境」を私達がつくっていかなければならないと私は思う。誰かの為・自分の為・世界の為に出来る事をもっともっと増やしていきたい。

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