更新日:2020年9月28日

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樹氷

いま、山形から・・・ 厳選やまがた 自然が育むスノーモンスター 樹氷(山形市・上山市)(JPG:174KB)

(平成29年12月1日掲載)

蔵王連峰は、東北地方の中央を南北に走る奥羽山脈にあり、山形県と宮城県の県境に位置します。冬になると、この蔵王連峰の地蔵山頂付近で見ることができる、自然が作りだした大迫力の芸術があります。蔵王連峰の特殊な気象条件と木々が作り出す幻想美は、訪れた人々の心を魅了します。山形が世界に誇る絶景。冬の風物詩・樹氷(スノーモンスター)を紹介します。

ロープウェイに乗って、瞬く間に樹氷原へ

蔵王温泉街からロープウェイに乗り込むと眼下に広がる樹氷原。地表から沸き立つ雲のような樹氷が山肌を覆い尽くす様は圧巻です。ロープウェイを蔵王山頂駅で降りれば、樹氷と遠くに見える山並みの美しさが相まって、神の世界に入り込んでしまったかのような神秘的な風景が迎えてくれます。大きなものでは5メートルを超え、一つひとつが個性的な形で大迫力のスノーモンスター。青い空とまっ白な樹氷群を見ていると時間が経つのを忘れてしまいます。

樹氷原(JPG:119KB)

一つひとつの形に違いがあり見ていて飽きない。

山形市観光協会ディレクターの安孫子司さん(JPG:100KB)

山形市観光協会ディレクターの安孫子司さん。

「蔵王の樹氷は、誰でもすぐ近くまで見に行けるんですよ」と教えてくれたのは、山形市観光協会の安孫子さん。「ロープウェイで、ふもとの蔵王山麓駅から山麓線に乗り、途中の樹氷高原駅から山頂線に乗り換え標高1,661mの地蔵山頂駅まで一気に登ります。その時間、わずか約20分!さわれそうなくらいまで樹氷を間近で鑑賞できるのは全国でもここだけです。あまりの迫力に皆さん驚かれることでしょう。また、地蔵山頂駅には360°見渡せるオープンデッキの展望台もあります。寒いのが苦手な方でも暖房の効いた山頂駅レストランから見ることもできます。とても気軽に樹氷を楽しめますよ」。

樹氷を目当てに世界中から観光客が

蔵王の樹氷は、12月下旬からできはじめ、1月下旬から3月上旬に見頃を迎えます。スキーやスノーボードを楽しむ山形県民にとってはおなじみの風景ですが、世界的にとても珍しく貴重な雪の芸術です。樹氷は八甲田山、八幡平、蔵王連峰、吾妻山など、東北地方・奥羽山脈のごく一部の山域でしか見ることができず、海外でははっきりとした報告さえありません。この樹氷を一目見ようと、昨シーズンは5万2千人もの観光客が蔵王を訪れ、近年は外国からのお客様も大勢いらっしゃるといいます。来年2月に東北では初めて開催される「国連世界観光会議」では、樹氷見学を組み込んだツアーも予定されています。

夕陽に染まる樹氷(JPG:70KB)

夕陽に染まる樹氷。時間により魅せる表情はさまざま。

ライトアップされた樹氷(JPG:57KB)

樹氷原を一望できる展望台(悪天候の場合は利用できません)。

山頂駅レストラン(JPG:69KB)

大窓から樹氷を観賞しながら食事を楽しめる山頂駅レストラン。

樹氷ができるための3つの条件

なぜ世界的にも珍しい樹氷が、ここ蔵王にできるのでしょう?その理由は、蔵王が樹氷形成に必要な条件が揃っている希少な場所だから。その条件とは、1.常に一定方向からの強風により多量の過冷却水滴と雪が運ばれること、2.雪がつきにくい落葉広葉樹ではなく、常緑針葉樹が自生していること、3.木々が埋没しない程度に積雪が適量であること。シベリアからの北西の季節風によって運ばれる雪雲が朝日連峰で上昇し多量の雪を降らせ、山形盆地を経て蔵王連峰で再び上昇し雪を降らせます。このとき、多くの雲粒が0℃以下でも凍らない過冷却水滴になり、雪と混ざり合い、それらが蔵王に自生しているアオモリトドマツに着氷していきます。その後、着氷の隙間に多くの雪が取り込まれ、0℃付近の雪は互いにくっつき固く絞まっていくのです。その繰り返しで樹氷は風上に向かって成長していきます。樹氷の表面の形状はその形になぞらえ「エビのしっぽ」と呼ばれています。エビのしっぽは成長とともに複雑に変化し、さまざまな形の樹氷が完成するのです。

風上に向かってのびるエビのしっぽ。(JPG:65KB)

風上に向かってのびるエビのしっぽ。

 

 

蔵王に樹氷ができるまで(JPG:110KB)

蔵王に樹氷ができるまで

樹氷を観賞する上でお願いしたいこと

気軽に樹氷を見ることができるとはいっても、そこは極寒の雪山です。いくつか注意点があります。まず、防寒対策を万全にすることが大切です。気温はマイナス8~マイナス15℃と大変冷え込みます。昼夜を問わず、風が強いときもあります。耳まで隠れるニット帽や、保温性が高く乾きやすいズボン、防水性の高い手袋、ハイカットの靴がおすすめです(蔵王山頂駅では長靴の貸し出しを行っています)。また、樹氷は貴重な自然現象です。安全ロープで区切られた所定のエリアで観賞し、直接触らないよう気をつけましょう。

樹氷は蔵王温泉スキー場だけではなく、上山市の蔵王ライザワールドスキー場でも観賞することができます。蔵王ライザワールドの樹氷原は標高1500メートルの場所にあり、リフトで行くことができます。ただし、帰りはスキーやスノートレッキングでの下山が必要です。それぞれの場所に適した装備で、安全に樹氷観賞を楽しんでください。

昼と夜…、異なる表情で魅了する

蔵王では、12月23日(土曜日)~3月4日(日曜日)のうち合計53日間、樹氷のライトアップを行っています。「カクテル光線で色彩豊かに照らされる樹氷と、眼下に広がる山形市街の夜景のコラボレーションはとても幻想的です」と安孫子さん。さらに夜の樹氷の楽しみ方はライトアップだけではありません。ライトアップ期間には特殊車両・新型雪上車「ナイトクルーザー号」に乗っての樹氷高原駅から樹氷原を巡るツアーは大興奮すること、間違いありません。

ライトアップされる樹氷は幻想的。(JPG:76KB)

ライトアップされる樹氷は幻想的。

暖房付きのナイトクルーザー号。(JPG:89KB)

暖房付きのナイトクルーザー号。

樹氷の楽しみ方(JPG:111KB)

樹氷のすぐ近くでウィンタースポーツが楽しめる。

樹氷原のすぐ脇をスキーやスノーボードで滑るもよし、蔵王山岳インストラクターの案内のもと、スノートレッキングをしながら樹氷を観るもよし、樹氷の楽しみ方はさまざまです。そして樹氷を鑑賞した後は、開湯1900年の歴史ある蔵王温泉にゆったりとつかるのがおすすめです。樹氷観賞で冷えた身体が芯から温まりますよ。また、温泉でのんびりした後は“ジンギスカン”を召し上がってください。何を隠そう、あの独特の鉄鍋で調理するジンギスカンは蔵王発祥という説があるのです。

樹氷やウィンタースポーツ、温泉、グルメと、山形の冬の醍醐味を満喫できる蔵王にぜひお越しください。

イベント情報

蔵王樹氷まつり2018

  • 樹氷ライトアップ/12月23日(土・祝)~2018年3月4日 (日曜日) ※期間中53日間限定なので、開催日はご確認ください。
  • 冬のHANABI in FISスキージャンプワールドカップレディース/2018年1月20日(土曜日)
  • 冬のHANABI in 1,000人松明滑走/2月3日(土曜日)
  • 冬のHANABI in ZAOプロジェクションマッピング&エクストリームエアー/2月23日(金曜日)~2月25日(日曜日)

アクセス情報

JR山形駅からバスで約40分
おいしい山形空港から観光ライナーで約60分

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